太陽熱利用給湯システム(ソーラーシステム)と太陽熱温水器の違い!
太陽熱利用給湯システム(ソーラーシステム/エネワイター)と、太陽熱温水器(天日)。
この二つの製品は、名前だけを比べると「同じような製品なんだろうな」という感想を持たれる方がほとんどだと思います。
また、太陽熱温水器(天日)の方が、圧倒的に多く市場に流通しているために、「太陽熱利用給湯システム=太陽熱温水器」という間違った認識を持たれている方が非常に多いのが現実です。
ここでは、それらの「間違った認識」を一つずつ丁寧に解説いたします。
太陽熱利用給湯システム(ソーラーシステム/エネワイター)の知られざる魅力・メリットを皆様に知って頂き、今後の給湯器選びの選択肢の一つに入れていただけることを切に願います。
太陽熱温水器(天日)については「太陽熱温水器(天日)の凄い能力!」をご参照ください。
<一般的な太陽熱温水器(天日)イメージ>
太陽熱温水器(天日)は、皆様よく見かける事もあると思いますし、イメージ通りだと思います。
各家庭の屋根の上に、集熱板(黒い平坦な部分)と貯湯タンク(製品上部の膨らんだ部分)が一体となっており、存在感があります。
最近では、新築の家に設置したいけど、見た目がチョットな・・・というデザイン性で敬遠される方もいらっしゃいます。
特に、太陽光発電が本格普及してからは、太陽光パネルが屋根との一体感を大切にしたデザインであることから、それらと比較してデザイン性を気にされる方が増えてきております。
では、次に太陽熱利用給湯システムの外観はどうでしょうか?
<太陽熱利用給湯システム 集熱ユニットイメージ>
あれれ?全然違うのが一目瞭然だと思います。
太陽熱温水器と比較すると、製品上部についているはずの貯湯タンク部分がなく、太陽光発電パネルと見間違う?外観となっています。
実は、太陽熱利用給湯システムでは、タンクは地上に別途設置されています。
<太陽熱利用給湯システム 貯湯タンクイメージ>
従来の太陽熱温水器では、外観のデザインと合わせて、満水時に200kgを超える重量を屋根に乗せることへの抵抗がある方も多くいらっしゃいました。
しかし、この太陽熱利用給湯システムは貯湯タンクが地上設置ですので、屋根への負担も大きく軽減されているのです。
デザイン性・屋根との一体感・家屋への負担軽減。
これだけでも、十分すぎる違いなのですが、これはほんの始まりにしかすぎません。
太陽熱温水器(天日)は、太陽の熱で水を温めて、お湯にして使用するというシンプルな構造です。
しかし、シンプルなゆえに、温まったお湯を、そのままの温度で浴室へ落として使用するという用途に限られていました。
夏場などは、70度近い高温状態で、浴槽の中で水と混ぜながら温度調整をする必要もありました。
また、冬場は少ししか温度が上がらないので、ほとんど使わないというご家庭も多かったようです。
しかし、太陽熱利用給湯システムは違います!
太陽熱利用給湯システムでは、太陽熱で温められたお湯を地上のタンクに貯めておきます。
そして、その温度が、お客様の設定温度より高ければ、設定温度になるように水を混合しながら適温で給湯してくれます。
つまり、太陽熱温水器では出来なかった、温度設定が可能なのです。
また、冬場に水の温度が上がりきれなくても、日中のわずかな太陽熱を蓄えているので、水道水よりも温かい水がタンクに貯まっています。
その少し温まった水を、補助熱源で再加熱して設定温度にて給湯してくれます。
これは、何が凄いかと言うと、燃料代(ガス代や灯油代)を圧倒的に節約してくれます。
仮に、水道水が18度。設定温度が42度の場合は、水道水を24度上昇させるエネルギーが必要となります。
しかし、日中の僅かな蓄熱によってタンク内の水が25度になっていたらどうでしょうか?
そのままではお湯として使えませんが、17度上昇させるだけで42度に到達するのです。
この数度分のエネルギーが毎日不要になると、年間では相当なエネルギーが節約されます。
そして、それはあからさまに水道光熱費に現れてくるのです。
先程の性能が違う!で、勘の良い方はお気付きかも知れませんが、太陽熱利用給湯システムの優れている点でもう一つ!
この給湯システムは、補助熱源(石油給湯器、ガス給湯器、電気温水器)と繋がっております。
(補助熱源と言っても、今現在ご家庭で使用中の給湯器です。)
ということは、太陽熱利用給湯システムで温まったお湯は、補助熱源を通して台所や洗面所といった、家庭内の給湯栓がついている全ての場所への給湯が可能です。
その上で、今から説明する使いやすさが際立ってきます。
太陽熱利用給湯システムには、一般的な給湯器と同じく、リモコンが付いています。
そして、リモコン上で温度設定はもちろんの事、3つのモードを選びながら運転させることが可能なのです。
3つのモードは以下の通りです。
自動モード
エコゆモード
給湯器モード
自動モードの場合は、設定温度と太陽熱利用給湯システムタンク内のお湯の温度を常に比較しながら、設定温度の方が高い場合は給湯器で再加熱、低い場合は水と混合して、常に設定温度通りの給湯をしてくれます。
エコゆモードでは、太陽熱利用給湯システムのお湯だけを使うモードです。設定温度よりもシステムのタンク内湯温が低い場合は、設定温度まで上げる事をしませんが、食器洗いなどで、冷たくなければいいという場合は、このモードで燃料を使うことなく節約に直結します。
そして、給湯器モードでは、強制的に給湯器で再加熱して設定温度で給湯してくれます。
いかがでしょうか?
従来の太陽熱温水器とは全く違う給湯システムである事がご理解いただけましたでしょうか?
徹底して、太陽の熱を利用して、無駄を最大限省いたエコな給湯システムが、太陽熱利用給湯システムなのです。
最後になりますが、従来の太陽熱温水器(天日)では、お風呂専用のイメージがあり、台所などで使用する事に抵抗のある方もいらっしゃいます。
従来の太陽熱温水器は、直接加熱方式といって、屋根の上のタンク内で直接水を温めており、タンク内の汚れなどが混合するケースもありました。
しかし、太陽熱利用給湯システムは間接加熱方式です。
これは、地上のタンクと、屋根上の集熱パネルの中を不凍液が流れており、この不凍液を温めて、その温まった不凍液でタンク内の水を間接的に加熱する方式です。
タンク内には常に水が満水状態で入っており、空気に触れる事がありません。
よって、台所・洗面所でもいつでも清潔なお湯をたっぷり使う事が出来るのです。
また、太陽熱利用給湯システムは、ガス・石油・電気それぞれの給湯器と接続可能です。(エコキュート・エコウィル・エネファームは接続不可)
今現在ご使用中の給湯器との接続も可能なケースが多くございます。
これを機に、太陽熱利用給湯システムを導入いただき、環境にも、そして家計にも優しい給湯生活を送られてください。
関連記事
太陽熱利用給湯システムTOP
太陽熱利用給湯システム製品一覧
お役に立ちましたでしょうか?
この記事が役に立ったと思われたら、どうぞ気軽に「シェア」・「イイね」してください。
執筆担当者のモチベーションに繋がります!!